小売経営のキーワード

愛される店になるには、まずお客様を愛することから始めよ
愛される店とは、お客様に愛されること…当然ですね!
「お客様に愛される」とは、お客様に期待される・お客様が満足することに他なりません。
さて、お客様は何に期待され、結果として満足されるのでしょうか?
価格が適正、品ぞろえが良い、接客応対が素晴らしい 等など
これらは小売店経営として最低限の要件となります。
この要件は、正確には以下のように考えるべきです。
  • 価格が適正 → 価格に「値ごろ感」(単なる安売りではない納得頂けるプライスライン)がある
  • 品ぞろえが良い → 欲しい商品・欲しくなる商品が「いつも」ある
  • 接客応対が素晴らしい → 「親身になって(自分の事のように)」アドバイスしてくれる
これらは、日々のお店経営から得られる数字や接客会話におけるヒントから、その対策が浮かび上がって来ます。
つまり、数字をどう読むか、お客様は何を望んでいるのか…を、お店運営に「継続的に反映する努力」によって成し遂げられることを意味します。
あなたのお店を選んで、わざわざ足を運んで頂いたお客様の意識(目線)に深く感謝・理解する姿勢こそ、その経営自体を成功へと導く唯一の方法となります。

◎ご来店頂いたお客様は、あなたのお店を選んでいます。

お客様のために…期待を裏切らないように…気持ち良く接客する。
そのかけがえのない「お客様」と会話ができる歓び…感じていますか?

一律発注の継続で損失は2倍に膨らむ
多くの小売店は、多品種の商品を取りそろえてお客様をお迎えしています。
それら全てを日々に管理することは容易なことではありません。
商品を「仕入れる」ことは当然に必要な業務となりますが、この仕入という行為に際して最も大切なことは、その品揃え優先順位を策定することに帰着します。
例えば、「最寄品」と「買回り品」
最寄品とは、日々確実に販売に供している商品という、いわゆる基本商品買回り品とは品揃え(お客様の比較対象)のなかで売れていくという選択商品を指します。
商品回転率の比較高低でも判別される分類となります。
ここで留意すべきことは、その最寄品(基本商品)の仕入れについてです。
最寄品の多くは、お客様への提供価格(販売価格)を大きく間違わなければ、安定した販売実績が見込めますが、売り切れて良かった…とか、売れ残りが多く困った…の連続する 分類でもあります。
  • 売り切れて良かった!…その商品を欲しかった他のお客様は当然に失望しますね。
  • 売れ残りが多く困った!…その商品施策がお客様には「評価されなかった」ということです。
提供価格を下げればもっと売れるかも知れませんが、一度下げた価格を再び上げることは至難の業です。
価格を下げるのは最後の最後の手段であるべきです。
ともすると陥りがちな一律発注(なんとなく発注)の繰り返しでは、結果の後追いに過ぎません。
仕入れ量が足りなかった・多かったという反省以前に必要なことは、より適正な販売実績を獲得するためのスタッフとしての「発注意思」となります。
天候は? 気温(体感温度)は? 曜日は? 今日は月の何日? 競合する新商品施策との整合性は? …等など
発注を決定するこれらの要素を都度都度に考慮することは大変ですが…
この「発注感性」を磨くことが最も大切な仕事となります。
失敗は成功の母といわれるように、継続的に学ぶ姿勢こそが仕事そのものということです。
  • 「売り切れ」はお客様の失望感という機会損失を生みます。
  • 「売れ残り」はお客様から評価されない機会損失を生みます。
一律発注の繰り返しとは、この損失を倍増していることになるのです。
「仮説」~「検証」そして「仮説」の「継続的な取組み」こそが小売経営の成否を決することに真実を見出します。

売れた数の把握よりもその買われ方を見よ
売れた数は様々なツールから把握できます。
POSレジスターを導入しているお店では、その「販売データ」から知ることができます。
ただし、そのデータ自体は無機質な数字の羅列に過ぎません。
その数字は何を物語るのでしょうか?
どのような背景でその数字が表示されたのかを、一度立ち止まって考えることはとても大切なことです。
商品を仕入れる(発注する)に際し多くの場合は、一人のお客様が単品ごとに1個をお買い上げ頂く想定となります。
よって、商品を仕入れる(発注する)場合、お客様の購入単位は「1」と考えます。
しかし、その商品がお客様にとって複数購入することに潜在的メリットがあるのであればその発注量は自ずと変えるべきことになります。
例えば、1個100円、3個でナント198円!…等など
ある程度の鮮度のある(保存が効く)加工食品等は、斯様な数量値引き戦略は購入単価の向上を促し、お店の収益に直接反映することになります。
ただし、利益率自体は低下していることに気がつかないことが多々あります。
そして、通常販売商品に於いては「安易な数量値引き戦略」は経営自体を追い込むことは前述(前項)と同様に極力避けるべき施策であることは言うまでもありません。
それは、「数量値引き施策」をとる商品の選定には細心の注意を要するということです。
  • 先ずは、その商材がお客様にとってまとめ買いすることに本当にメリットがあるか否かを把握する。
結果として、このような施策に本来適合しないものなのか…価格訴求に耐えられないものなのか…
つまり、お客様の立場で施策自体を考えるという基本に立ち返るということです。
そして、商品施策後の検証として最も大切なことは、お客様の評価が安定している定番商品からしっかりと利益を確保できているか?…に尽きます!
この本質を見失うと全てが崩壊します。
様々な複合要因によって、販売数は逐次変化していきます。
さらに…
  • お客様が本当に欲しくて(評価されて)購入に至った結果の数字なのか…
  • 品揃えの比較対象に乏しく、やむを得ず購入に至った結果の数字なのか…
同じ数字でも、全く違う「数字」となることを忘れてはいけません。
先ずは…

◎売れた数の把握よりも「その売り方」を考えよ…ですかね!

選ばれる店は空気が違う
選ばれるお店とは、多くのお客様に評価され続ける店を意味します。
「評価され続ける」ためには、単に価格が安い、スタッフの感じが良いということだけではなくお客様の高い買い物満足度を「継続的に維持し続ける」ということが大切な要件となります。
基本的には、お客様は声に出してお店を評価して下さることはありません。
ここに、アンケート調査等、より生に近い現実を知ることを目的として実施する施策に意義はありますがそのアンケート回答に対し、お客様は本当の意思・評価を記述して下さるのでしょうか?
定期的な顧客満足度調査は必要なことと考えますが、双方ともにマンネリ化してしまうという傾向も否めません。
アンケート調査の結果から導き出せることは単なる傾向値に過ぎず、ともすると、アンケートを実施することのみに執着してしまう事例は、残念ながら多く目にします。
あくまでも、お客様のために、お客様が主役となるべき取組みが、調査担当者の一業務となってしまいとどのつまり、数値の分析に終始帰着してしまうことに陥り易いのです。
最も大切なことは、その数値に至った原因・理由をひとつひとつ明らかにし、それぞれに改善するための具体的施策を明確にし、日々の業務に生かすことです。
さらに大切なことは、そのひとつひとつの課題を「スタッフ全員で共有」することとなります。
スタッフはそれぞれに持ち場・担当職務はありますが、その各々が連携・機能することで、1+1は2ではなく、3や4を目指すことを目的とします。
自分の担当外だから…ということで行動を起こさないことは厳に慎まなければいけません。
一方では、担当者個人を非難することは論外です。
必要なことは「支えあう」というコミュニケーション意識となります。
  • 明るい「職場」が確立され
  • 結果として、明るい「お店」と感じて頂ける
ことになります。
職場の雰囲「気」、お店の雰囲「気」…

◎職場やお店の空気を今一度入れ替えてみましょうか?

お客様の顔を覚えることが接客の原点
「お客様の顔を覚える」ことは小売業の基本と言われます。
小売業成否の前提は「接客」となりますので、当然な要件とも言えます。
お客様の名前を覚えろ!…という指南もありますが、先ずは無理ですよね。
一方では、名前を覚えられる(名前で呼ばれる)ことにお客様がストレスを感じる局面もある現実も忘れてはいけません。

では、お客様の顔を覚えるにはどうすれば良いでしょうか?

それは、お客様の顔というより、そのお客様との会話を通して感じる一瞬のオーラのような
感覚・イメージであろうかと思います。
その感覚は、無論「あなた自身の感覚」です。
色々なお客様がいらっしゃいます。
ぶっきらぼうな方、無言の方、逆に話好きな方…
必要な事はあなた自身から声をかけるということです。
お買い上げ頂いた商品に関わる話題づくりが基本ですが、季節・気候の会話、地域の話題等など、プライバシーに関わること以外であれば何でも良いのです。

あなたから…お客様の目を見て…微笑みながら話しかける!

そのような局面に際して「迷惑」と感じるお客様はまずいません。
お客様の反応は如何でしたか?笑顔で受け応えて頂けましたか?
そのような行動(接客)をする対象のお客様は一日ひとりだけで良いのです。
毎日の反復は、あなたにとって、とても心地良い勤務時間をもたらすことになります。
マニュアル通りのお時儀・会話…これは基本というより、最低限の「礼儀」(カタチ)に他なりません。

必要なものは接客における「プラスワン」。
そのような日々の行動を通じて初めて身につく、あなた自身の接客スキル(人間的魅力)となります。

◎スタッフ一人ひとりの行動が、あなたのお店のマニュアルへと変貌し、
お店のブランディングを形づくり、やがて顧客来店動機をサポートすることに真実を見出します。

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